ピークス

2018.9.21

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筆とまなざし #103「秋の小さき日々で見つけたキノコと鬼灯」

毎日毎日、雨雨雨……。体からキノコが生えてくるんじゃないかと心配してしまうほど雨ばかりの9月です。いまのところ体からキノコは生えていませんが、アトリエ小屋の周りにはいたるところにへんてこりんなキノコが生えていました。真っ白いキノコ、サツマイモのような色をしたキノコ、なかには2本がくっついたキノコまで。キノコに詳しければもっとおもしろいのでしょうが、高校時代に「あたって」以来、キノコには人一倍警戒心を抱くようになりました。それでも、先日知人からもらったキノコは日本のポルチーニらしく、バター炒めにしておいしくいただきました。本棚には南方熊楠のキノコの画集があったなぁと思いながら、足元にあった毒々しくないキノコをスケッチしました。

今日はひさしぶりの晴れ。日差しはまだ夏のようですが、湿度が低くて爽やかな秋晴れです。この天気を待っていたかのように、村の人たちは稲刈りに追われています。たわわに実り、頭を垂れた稲穂。稲刈りが終わったばかりの田んぼには甘く芳しい香りが漂い、野焼きの煙があたりに立ち込めます。この香りが好きで、鼻孔をいっぱいに広げて空気を吸い込みます。深々に「ふ~」と深呼吸。お金はないし、締め切りに急かされる毎日だけれど、この瞬間の豊穣なこと。なんとも幸せな気持ちになるのです。

ひさしぶりに瑞浪の岩場に行ってきました。瑞浪は寒い時期の岩場でまだまだシーズンオフなのだけれど、雨後の乾きが良いのと、クラックを登りたいと思ったからです。町は30℃超えで日向にいると頭がクラクラしてくるのですが、日陰のクラックからは涼しい風が流れてきて気持ちいい。10月からはこの岩場でも講習会を再開する予定です。

103_2

岩場へのアプローチで鬼灯を見つけました。子どもの頃、鬼灯の種を出して風船のようにして遊んでいた記憶が蘇り、こうだったかな?と思い出しながら鬼灯風船を作ってみました。鬼灯の実を指で揉んで柔らかくし、中の種と果肉を穴から出す。そういえば種は食べていたよなぁ。

日に日に日が短くなるのを感じるこの季節。夏の慌ただしさが過ぎ去り、少しだけ心が落ち着くようになったこのころです。

 

【連載一覧はこちら!】

 

成瀬洋平
Yohei Naruse

1982年岐阜県生まれ。山を歩いて見聞きしたことを絵や文章で表現することをライフワークとする。雑誌への執筆のほか、展覧会や水彩画ワークショップも開催。雑木林の中に自力で制作した小屋で制作に取り組みながら、地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画などにも携わる。
ブログ http://d.hatena.ne.jp/naruseyohei
ウェブストア https://naruseyohei.stores.jp

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