ピークス

2019.1.18

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筆とまなざし#115「『ワイドクラッククライマーズミーティング』での発見」

幻のワイドクラック

年末の2日間、三重県尾鷲市で開催された「第一回ワイドクラッククライマーズミーティング」。初日の夕方、小さな漁港の宿に次々とクライマーが集まってきました。
海の幸に舌鼓を打った後、広間でワイドクラックをテーマにした発表会。幻の日本最難ワイドクラックを登ったKさんは日米のワイドクラックの歴史の話、ワイドフリークのSさんはアメリカのワイドクラック王国ビデブーの話、広島のMさんからは各地の岩場開拓の話、そして尾鷲の岩場を開拓したOさんからは奈良県のビッグウォールクライミングの話、辺境クライマーのKさんは離島でのクライミングの話。どれもほかの場所では聞けない、かなりマニアックで個性的な話ばかり。その後は懇親会となり、いつの間にか日付が変わっていました。

翌日は、ナサ崎という海岸にあるボルダリングエリアへ向かいました。ここは「スカイフォール」という、奇跡的なルーフクラック課題があることで有名。海に面した壁の下に無数にボルダーが転がる素晴らしいロケーションで、ぼくはちょうど1年前に一度訪れていました。

Kさん初登の幻の日本最難ワイドクラック課題「ワイドマニア」があるのもこの場所。「幻」というのは、初登されてから数ヶ月の間に岩が動いてクラックの幅が広がってしまい、簡単になってしまったから。海に面したボルダーは、雨や波の影響で下地が変化したり岩の傾き変わってしまうことがたまにあるのです。

「スカイフォール」などで思い思いに登った後、午後からKさんによる「ワイドマニア」のデモンストレーションが行なわれました。逆立ちのように両足を先行させてスタート。岩と岩の間の割れ目に挟まって自由自在に行ったり来たりする様子は神がかっていて、少し気持ち悪い(笑)……。その後、みんなでセッション。ワイドクラックは苦手なぼくもトライすると、なんと2度目で登ることができました。

ただただ苦しく、苦手だと思っていたワイドクラック。しかし体のどこかを岩の間にスタックさせ、ほかの足や手を使って推進力を得る。そうすることで、なんとか体勢を維持して上に進むことができる。その工夫やコツ、テクニックが面白いのだと、ようやく自分もわかってきました。そして、この足を上に振り上げて強傾斜のワイドクラックを登ると、クラックの本場アメリカ大陸の匂いがするとかしないとか。

自宅の近くにも難しいワイドクラックがあります。今度はそれに挑戦してみよう。今年の冬の楽しみがまたひとつ増えました。

成瀬洋平
Yohei Naruse

1982年岐阜県生まれ。山を歩いて見聞きしたことを絵や文章で表現することをライフワークとする。雑誌への執筆のほか、展覧会や水彩画ワークショップも開催。雑木林の中に自力で制作した小屋で制作に取り組みながら、地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画などにも携わる。
ブログ http://d.hatena.ne.jp/naruseyohei
ウェブストア https://naruseyohei.stores.jp

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