2016.11.30

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【連載】筆とまなざし #022「太平洋に面した“最果ての地”のクライミング」

高知県は足摺岬のさらに先。大堂海岸は太平洋に面し、“最果ての地”とも形容されるシークリフです。

「四国に入ってからもかなり遠いよ」

友人からはそう聞いていましたが、なるほど、明石海峡大橋を渡って徳島県に入ってからも延々5時間のドライブ。岐阜県の自宅からはちょうど700kmあり、休憩を入れながら車を11時間も走らせてようやく岩場近くの宿に到着しました。

高難度ルートこそないものの、30m近い長さのクラックと真っ白い花崗岩という日本離れしたロケーションの大堂海岸。“遠い”ということが付加価値となり、クラッククライマー憧れの地として知られています。

縦横無尽にたくさんのクラックが走っているものの、トポ(ルート集)に載っているのはそのうちわずか。そのことからもこの岩場がいかに遠い場所にあるかが感じられます。東京近郊にあったらあらゆるクラックにあみだくじのようにルートが作られていることでしょう。

駐車場から急なアプローチ道を下ると視界が開け、燦々と降り注ぐ南国の太陽の下に広大な海原が広がりました。足元は海岸まですっぱりと切れ落ちた崖。フィックスロープを伝って下ると、大きな岩が堆積した海岸に到着しました。

真っ青な空に真っ白い岩壁。高さは50mくらいあるでしょうか。瑞牆などよりももっと結晶の荒い花崗岩で、海からの風雨によって大きく侵食された岩肌はまるで彫刻のよう。おもしろい造形が目を引きます。

さて、肝心のクライミングですが、今回はちょっとした仕事で訪れたため、3日間この岩場に通ってミッションを果たし、最後にご褒美として三ツ星のクラックをオンサイトして終了。フィンガーがあったりスラブがあったりルーフがあったりワイドがあったり、同じルートでも変化に富むルートはスケールやロケーションと相まって、グレードに関係なく楽しませてくれました。

 

22_2

 

楽しんだといえば海の幸も外せません。名物のカツオのたたきはもちろん、聞いたことのない魚の刺身とこの地域で有名な栗焼酎。これもクライミングトリップの楽しみです。

海外に行けるほど時間のかかる「最果ての地」。またいつか再訪したいものです。

 

#001 山の小屋から
#002 夏になったら――
#003 北アルプス、そのまた北へ(前編)
#004 北アルプス、そのまた北へ(中編)
#005 北アルプス、そのまた北へ(後編)
#006 真夏の小さな物語
#007 初めてのマルチピッチ(前編)
#008 初めてのマルチピッチ(後編)
#009 星野道夫さんに会いに行く
#010 吉田 博と「劔山の朝」
#011 上高地スケッチ絵画講座、開講
#012 偉い! とうなったおすすめギア
#013 ドロミテ山塊へのクライミングトリップ
#014 笠置山クライミングエリアの開拓
#015 秋のよろこび、中津川の味覚「栗きんとん」
#016 ようこそ ようこそ 笠置山クライミングエリア
#017 カフェのご主人、お客さんと、秋の野外水彩画教室
#018 3代目の山道具、ラ・スポルティバのボルダーXミッド
#019 山と道具の2017年カレンダー
#020 ちびっ子クライマーたちの外岩デビュー
#021 鍛金ワークショップで自分だけの山道具を作る

 

成瀬洋平
Yohei Naruse

1982年岐阜県生まれ。山を歩いて見聞きしたことを絵や文章で表現することをライフワークとする。雑誌への執筆のほか、展覧会や水彩画ワークショップも開催。雑木林の中に自力で制作した小屋で制作に取り組みながら、地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画などにも携わる。
ブログ http://d.hatena.ne.jp/naruseyohei
ウェブストア https://naruseyohei.stores.jp

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