初級

2017.3.13

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【今日から始める山写真 第7回】絞りの値を変えて撮ると・・・

【今日から始める山写真~フレームの中で見つける山の楽しみ】

⬛︎第7回 絞りの値「f値」を変えて撮ると・・・

 

カメラとレンズを買い、レンズ保護フィルターを装着し、セッティングも済ませ、ファインダー内の情報を意識することも頭に入れました。もうあとは写真を撮るのみです。まず手始めに登山靴を撮ってみたいと思います。

 

絞り優先オートモードで撮るときは、「絞り値」「露出補正値」「ISO感度」を自分で決めます。今回はそのなかの「絞り値」を変えて撮ってみます。絞り値は「f」と「数字」で表されます。例えば、「f2.8」や「f8」のように。この絞り値を変えると、レンズ内の絞り羽根が動いて、カメラのセンサーに届く光の量が変わります。絞り値を小さい数値にすると、センサーに届く光の量が多くなり、絞り値を大きい数値にすると、センサーに届く光の量が少なくなります。絞り優先オートモードだと、その光の量に応じて、カメラがシャッタースピードを決めてくれます。それでは、下の2枚の写真とデータを見てみましょう。

 

ya_005

(左)絞り f4.0 シャッタースピード 1/4000秒 (右)絞り f11.0 シャッタースピード 1/500秒

 

 

絞り値を小さな数値にした左の写真は、シャッタースピードが1/4000秒と非常に速く、絞り値を大きな数値にした右の写真は、左の写真に比べてシャッタースピードが遅くなっていることがわかります。この変化の法則に慣れるには、間をおかずに撮影を重ねてください。とりあえず、次のように簡潔に覚えてしまいましょう。

 

絞りを小さい数値にするほど、シャッタースピードは速くなっていく

絞りを大きい数値にするほど、シャッタースピードは遅くなっていく

 

 

さて、この2枚の写真を見ていて、データの数値以外に大きな違いを感じていると思います。絞りをf4にして撮った左の写真は、背景が大きくボケていて、絞りをf11にして撮った右の写真は、左の写真よりも背景がくっきり写っています。絞り値を変えることで、ピントを合わせた手前の登山靴の前後のボケ具合を変化させることができるのです。どのように変化するのか、覚えやすいようにまとめました。

 

絞り値が小さい数値ほど、被写体の前後のボケ具合が大きくなる

絞り値が大きい数値ほど、被写体の前後のボケ具合が小さくなる

 

次のように言い換えることもできます。

 

絞りの値が小さい数値ほど、ピントの合う範囲が狭くなる

絞りの値が大きい数値ほど、ピントの合う範囲が広くなる

 

この変化の法則も、意識的にたくさん撮ることで身についていきます。できる限り、レンズの焦点距離を変えずに撮り続けたほうがわかりやすいです。なぜかというと、焦点距離が変わると、ボケ具合(ピントの合う範囲)が変わってしまうから。まずは、ひとつのレンズで撮り続けて体に染み込ませてしまったほうが、上達が早い気がします。オススメの焦点距離は50mmです。カメラのセンサーサイズがAPS-Cなら35mm。マイクロフォーサーズなら25mmです。焦点距離が変化しない単焦点レンズであればなお良し。中古のレンズで十分です。ズームレンズしかないのであれば、強い意志を持って、ズームの機能を封印してください。何を撮るにもその1本で撮り続ければ、広角レンズや望遠レンズで撮ったときの違いがより明確にわかるはずです。

 

下の4枚の写真は、焦点距離が50mmのレンズを使い、絞りの値を変えて撮ったものです。ピントを合わせた場所は、SIRIOの下のMADE INの「M」です。注目すべきは、ピントを合わせた「M」の前後のボケ具合と、写真全体の雰囲気です。絞り値が小さい数値の写真は、ピントが合っている範囲が非常に狭く、その前後が大きくボケていて、柔らかい雰囲気に仕上がっています。逆に、絞り値が大きい数値の写真は、ピントの合う範囲が広がり、くっきりとしていて硬い仕上がりです。

 

 

ya_0230

NikonD4s 50mm f/1.8G  絞り優先オート f2.0 露出補正0 ISO400 シャッタースピード 1/6400秒

 

 

ya_0233

NikonD4s 50mm f/1.8G  絞り優先オート f4.0 露出補正0 ISO400 シャッタースピード 1/1600秒

 

 

ya_0235

NikonD4s 50mm f/1.8G  絞り優先オート f8.0 露出補正0 ISO400 シャッタースピード 1/400秒

 

ya_0237

NikonD4s 50mm f/1.8G  絞り優先オート f16.0 露出補正0 ISO400 シャッタースピード 1/100秒

 

 

このように、被写体の前後のボケ具合をコントロールすることで、写真の雰囲気をふわっとさせたり、カッチリさせたりすることができます。また、撮りたい主役が何であるかということを意識するようになります。そして何よりも「写真」が何倍も楽しくなるはずです。

 

絞り優先オートは、その名の通り「絞り値」を優先する撮影モードです。撮影者が決めた絞りの値をカメラが勝手に変更することはありません。自分の思い通りに写真を撮るためには、絞りを自分で選び、ボケ具合(ピントの合う範囲)を決めなければなりません。撮影者がこの選択を放棄している全自動撮影では、思い通りに撮れることはありません。撮れたとしてもそれは偶然です。今日からは、重要なところは自分で判断して、カメラにその補助をさせる撮影スタイルに変えていきましょう。絞り優先オートで撮影することの重要性はとてつもなく大きいのです。

矢島慎一

埼玉県秩父市出身。岩と高所が苦手なカメラマン。
未知の山を歩くより、同じ山を何度も歩いて
何かを発見することに楽しさを見出すタイプです。
雑誌「PEAKS」にて「そろそろ本気で撮るぜ山写真」を連載中。

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