ピークス

2018.2.21

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筆とまなざし #080「寒い冬から早春へ、アトリエ小屋からヨセミテへ」

この冬は寒かった。というよりも、ここ数年が暖冬だったから余計にそう思うのかもしれません。このあたりは気温こそ-10℃まで下がるものの雪はさほど多くなく、今年もほとんど積もることはありませんでした。今年一番の雪が降った数日後(といっても数cmでしたが)、急に気温が高くなってすっかり春のような陽気になりました。あたりをぶらぶら散歩してみると、それまで茶褐色だった土手に、枯れ草の下からかすかに新しい緑が顔を出していました。日に日に日が長くなり、今日は風が冷たいけれど、良く晴れた青空や陽射しはたしかに早春の明るさです。

ひさしぶりに、アトリエ小屋の近くにタヌキのタンタンがやってきました。姪っ子が「タンタン」と呼んでいたのでいつの間にかみんなそう呼ぶようになりました。食べものに不自由しているのか、少し痩せ気味のタンタン。冷たい風を受けて寒そうに身を縮こませています。以前はパートナーと2匹で来ることもありました。姪っ子は「あれはタンタンの子どもだよ」と言っていました。たしかに、顔つきが少しタンタンとは違うような。ともかく、寒い冬を乗り切り、ひさしぶりに姿を見せてくれたのでした。

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明日から10日間ほどアメリカに出かけます。向かうは西海岸、サンフランシスコからヨセミテへ。帰ってくるのは3月になってから。小屋の窓を開けて、窓から見える冬枯れの木立をスケッチしました。帰ってくるころには木々も新芽を大きくさせて、土手には新しい緑が広がり始めているでしょうか。新しい旅への期待と緊張、そしてしばらくここを離れることの寂しさ。そしてまたここに帰ってきてからのたのしみ。出発の前は、いつもそんな複雑な気持ちになります。憧れの土地へ行っていても、帰りたいと思える場所があること。帰ってからも旅と同じくらいのたのしみがあること。風に揺れる木々を眺めながら、ふう、とひとつため息をつく。

旅の模様は夏ごろにご覧になっていただけると思います。冬のヨセミテってどんなだろう? さあ、準備もあと少し。クライミングギアとスケッチブックをバッグに入れて、行ってきます。

 

【連載一覧はこちら!】

 

成瀬洋平
Yohei Naruse

1982年岐阜県生まれ。山を歩いて見聞きしたことを絵や文章で表現することをライフワークとする。雑誌への執筆のほか、展覧会や水彩画ワークショップも開催。雑木林の中に自力で制作した小屋で制作に取り組みながら、地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画などにも携わる。
ブログ http://d.hatena.ne.jp/naruseyohei
ウェブストア https://naruseyohei.stores.jp

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