週末は大切な来客があり、家で五平餅を作りました。この地方の郷土料理として知られる五平餅。今年はNHKの朝ドラでも話題になり、全国的に知られるようになったそう。串にくっつけたご飯に、甘辛いタレを塗って香ばしく焼き上げる・・・ぼくにとっては子どもの頃からのふるさとの味。大好きな料理の一つです。
この辺りには五平餅屋がたくさんありますが、昔はそれぞれの家で五平餅を作っており、家によって味が違いました。ぼくの実家でも昔は作ったようですがほとんど覚えていません。小学校で作った記憶がおぼろげながら思い出されます。
さて、串と五平餅の型は実家から借りてきました。この型、祖父の兄弟が作ったというもので、型を使うのがポイントでした。手で握って串につけるとどうしても厚ぼったくなってしまいます。型を使うことで薄くかつ柔らかくつけることができるのです。ちなみに、型は近くのJAでも売っていてびっくり。タレのレシピを教えてもらい、材料を購入。落花生、くるみ、ゴマ、醤油、味噌、みりん、砂糖、日本酒・・・醤油主体なのか味噌主体なのか、落花生やくるみ、ゴマなどを入れるかどうかで風味に特徴を出すのです。
すり鉢で落花生などを潰しながらタレ作り。「半殺し(半分潰す)」にしたご飯を型に詰めて形を整えます。
焼くのはU字溝が一番。軒先に置いたU字溝に炭を熾し、まずはタレをつけずに素焼き。ほんのり焦げ目がついたらタレを塗ってもう一度焼き、タレの表面がグツグツ言い焦げ目がついてくれば焼き上がり。あたり一帯に香ばしい香りが広がりました。初めて作ったタレは抜群の出来栄え。思ったよりも手間がかからず、我が家のおもてなし料理に加わりました。
さて、翌日は耐火レンガで即席のピザ窯をこしらえてピザパーティー。小麦粉を練って生地を作り、薪で窯を熱してピザを投入。オーブンで焼くより時間がかかるためか、生地がビスケットのようにサクサクしてとっても美味しい。窯はしばらくそのまま置いておくことにして、秋の夜長に焚き火がてら、またピザを焼こうと思います。
- 成瀬洋平
- Yohei Naruse
1982年岐阜県生まれ。山を歩いて見聞きしたことを絵や文章で表現することをライフワークとする。雑誌への執筆のほか、展覧会や水彩画ワークショップも開催。雑木林の中に自力で制作した小屋で制作に取り組みながら、地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画などにも携わる。
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