体育の日の3連休。久しぶりに山に行こうと思っていたのですが、台風が接近しているため予定を変更。小川山も混んでいそうだし、仕事も溜まっているしで、月曜日に日帰りで摺古木山(2,169m)へハイキングに行くことにしました。
中央アルプスの最南端は我が故郷の恵那山ですが、恵那山から主稜線は離れているし縦走路もないため、主稜線の南端は摺古木山とされています。摺古木山から北に続く安平路山を越えて越百山までは登山道があるものの、安平路山から先は深い熊笹に覆われた藪漕ぎとして知られています。行き帰りのアプローチが大変なのもあり、なかなか行くタイミングがないのですが、一度は歩いてみたいと思っている縦走路です。
1970年に廃村となった大平宿をすぎると林道はダートになりました。大平宿から林道を歩くと登山口まで3時間かかるらしい。行けるところまで車で行こうとしばらく進むとゲートがあり、車が2台停まっていました。看板と登山届のポストもがあり、林道はまだ続いているもののやむなく車を停めて歩くことにしました。
主稜線同様、このあたりも花崗岩質の山。白い岩の積み重なる渓谷は美しく、透き通った水が流れています。沢沿いの林道をまだかまだかと歩き続けること2時間弱、トイレと避難小屋のある登山口にようやく到着しました。
カラマツ林の登山道。熊笹が生い茂った急登。秋晴れの青い空。紅葉にはまだ早いかと思っていたものの、ナナカマドやダケカンバが見事に色づいていました。
1時間ほど登ると分岐点があり、そこから「直登コース」を登ります。たしかに直登。急な坂道を一気に登ると視界が開け、振り返ると雲の被った恵那山が見渡せました。道はなだらかになり、シラビソの香りを嗅ぎながらしばらく歩くと、コースタイムよりもずいぶん早く頂上に到着しました。中央アルプスの主稜線、御嶽山などがのぞめるものの、台風の影響か山の上部は雲に隠れたままでした。
周遊コースをたどって下山。長い林道歩きに骨が折れましたが、日暮れまでに車に戻ることができました。
帰りにすてきな温泉に浸かり、お気に入りのイタリア料理店で夕飯を食べて帰宅。近くの低山を日帰りハイキングなんて年寄り臭いなぁなんて思っていましたが、日帰りのプチトリップはなかなか新鮮で充実した一日でした。たまにはこんな山歩きも良いもんだなぁ。近くにはまだ低山がたくさんあるし、次はどの山に行こう?
- 成瀬洋平
- Yohei Naruse
1982年岐阜県生まれ。山を歩いて見聞きしたことを絵や文章で表現することをライフワークとする。雑誌への執筆のほか、展覧会や水彩画ワークショップも開催。雑木林の中に自力で制作した小屋で制作に取り組みながら、地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画などにも携わる。
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