ランドネ

2019.4.8

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モデル仲川希良の「山でお泊まり」静岡県・沼津編Vol.1

『ランドネ』9月号からスタートした、モデル/フィールドナビゲーター仲川希良さんの連載「山でお泊まりレポート」。
スペースの関係で誌面に収めきれなかった情報は、こちらのサイトで偶数月に美しい写真とともにお伝えしてきます!
第5回目は、東京よりも一足早く春の香り漂う、静岡県沼津市へ。沼津アルプスとふもとを歩いて味わった模様を4回にわたってお届けします。
Vol.1は、寄り道した「柿田川公園」でのエピソードをどうぞ。

***

行き先を沼津に決めた理由はいろいろあるけれど、そのひとつは「近い」ということ。
私が住む東京からだと、新幹線なら1時間、車なら2時間。休みの日はゆっくり寝ていたい! という気持ちと、せっかくだから少し遠出したい! というどちらの気持ちも満たしてくれる場所にあるのです。
今回は初日の天気予報がイマイチだったので、それならのんびり旅をスタートさせましょうということで、お昼ごろ東京を出発しました。

▲まずは柿田川公園へ

沼津の市街地の北部には愛鷹山、その背後には富士山が控えています。南部は駿河湾に面していて、山と海をつなぐようにゆったりと、街の中を狩野川が流れています。
初日はお泊まり予定の場所に直行してもよかったのですが、ちょっと寄り道することにしました。

向かったのは沼津市のお隣、清水町にある柿田川公園。ここでは、狩野川の源流の一つである柿田川の「川が生まれる場所」が見られるんです!

遊歩道がしっかり整備された公園内をお散歩していると……。

▲あった!

▲川が生まれる場所!

どくどくと水が湧き出ている場所を発見しました! インクをにじませたような不思議な青色に、吸い込まれてしまいそうそう……。じっと見入ってしまいます。

ここで湧き出ているのは、富士山からの伏流水。
約8500年前の富士山の大噴火では、この辺りまで溶岩が流れてきました。三島溶岩流と呼ばれるこのときの溶岩は水を通しやすい性質で、富士山に降ったたくさんの雨や雪が染み込みます。しかしその下にある地層は水を通しにくい性質のため、地下水となった雨や雪が三島溶岩流の隙間を流れ落ち、この場所で湧き出ているのです。

丸い枠は、かつてここが紡績工場の井戸として使われていたころの名残り。
山のミネラルを含みながらこの場所まで流れ落ちてきた富士山の水は、ほぼ無菌で、いまも清水町や沼津市を含む35万もの人々の飲料水として利用されています。

▲ここにも「湧き間」

▲生まれたばかりの水に手を浸す

水が湧き出すポイントは「湧き間」と呼ばれるそう。公園内の水辺のあちこちにある湧き間は、色もその勢いもさまざま。水底で吹き上げられた砂がもくもくと形を変え続けるようすは、いくら眺めても見飽きることはありません。
何十年か何百年か……空から落ちてきた水が、とほうもない時間をかけてここまでたどり着いて、いま再び地表に顔を出した瞬間を見ていると思うと、湧き間の 一つひとつに強い力を感じます。

季節によっては、ミシマバイカモというこの清流でしか生きられない可憐な花や、遡上してくる天然の鮎の姿も見られるといいます。
こんな清水あふれる緑豊かな公園が、車通りの多い国道1号線のすぐ横にあるというのもおもしろい!
立派なカメラを構える観光客から、ダンスの練習をする地元の学生さんまで、誰もが気軽に自然の美しさやその不思議に触れ合えるすてきな公園でした。

▲貴船神社

▲水みくじ

そして公園内には、京都「貴船神社」の分社も。水を司る神様が祀られています。
縁結びのご利益があるそうで、水盆の水に浸すと文字が浮かび上がる「水みくじ」なるものができるそう。でもそのためには出発地点の駐車場にある観光案内所で、先におみくじを購入しておかなければならなかったことが判明!
時々「凶」が出るシビアなおみくじらしいので、あえて戻らず手を合わせるだけにとどめました……。この旅でよいご縁がありますように!

▲お土産売り場に並ぶ日本酒

▲おやつタイム♪

駐車場近くには、お土産屋さんやカフェが集まっているエリアがありました。
湧水を汲める水場でまずは喉を潤します。柔らかく澄んだ味!
柿田川の水を利用したお豆腐が名物のようです。ズラリと並んだ地酒は「柿田川の泉」「大湧水」「富士山」など、この土地の自然を思わせる名前が付けられています。

私は、自家製桜の塩漬けを使った季節限定桜フレーバーのとうふアイスクリームをチョイス。豆腐の風味がしっかり残っていて、桜の香りで春気分。
のんびりお散歩しておやつまで食べて、柿田川公園にすっかり癒された午後のひとときでした。

さてそろそろ、今日のお泊まり場所へ……!

今回選んだのは、泊まれる公園、その名も「INN THE PARK」。
沼津市で30年以上愛されてきた「少年自然の家」をリノベーションして作られた、愛鷹山の裾野に広がる公園の中の宿泊施設です。

▲「in」ではなく「inn」!

▲オシャレな雰囲気……♪

公園の中に泊まる、って、いったいどういうことなのか。次回はこの新しい宿泊施設「INN THE PARK」についてレポートします。お楽しみに!


***おまけ***

じつは私、ここに泊まるのは2度目。この日は曇り空だったこともあってギリギリまで柿田川公園を楽しみましたが、前回は晴れていたので公園の裏山から、駿河湾に沈む夕日を眺められました。
お天気が良い日は早めにチェックインして、夕暮れの森を散策するのもオススメです。

写真◎大畑陽子

仲川希良
Kira Nakagawa

モデル/フィールドナビゲーター。テレビや雑誌、ラジオ、広告などに出演。自然が好きで、登山歴は9年目。里山から雪山まで幅広くフィールドを楽しみ、その魅力を伝える。初の著書『山でお泊まり手帳』好評発売中(エイ出版社)

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