2016.12.29

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高橋庄太郎と土屋智哉が伊豆・三原山へ。~「山を歩く、山で語る」番外編~

「Share the Mountain」を運営する『PEAKS』の1月号(12/15発売号)にてスタートした新連載「山を歩く、山で語る」。誌面では、山岳/アウトドアライターの高橋庄太郎さんが、山の友人とともにホンネや思い出話などなどを“山で語る”対談企画になっています。

そこで当サイトではそこで高橋庄太郎さんらが歩いたルートを紹介していきます。もちろん、紹介してくれるのは高橋庄太郎さんです!

それでは記念すべき第1回目をどうぞ!!

 

高橋庄太郎土屋智哉
(今回歩いた人)左:高橋庄太郎(山岳/アウトドアライター)、右:土屋智哉(ハイカーズデポ店主)
11月のある日、僕・高橋庄太郎と、僕がツッチーと呼んでいるハイカーズデポ店主の土屋智哉さんは、東京・竹芝桟橋からジェット船に乗り込んだ。向かうは、伊豆大島。この島は全体が巨大な火山といって過言ではなく、中央には火口の周囲に外輪山をもつ三原山がある。この山に登りつつ、『PEAKS1月号』から始まった「山を歩く、山で語る」という対談連載の第1回を行なおうという心積もりなのであった。

この日はそれほど早い到着ではなかったので、目的である三原山には登らず、とりあえずは三原山山頂登山口の下見へ。

ya_t_tuchiya_0004

その近くには展望台もあり、明日歩く予定の三原山を遠望できる。
一方、駐車場の反対側に見えるのは大きな海。その先には伊豆半島が浮かぶように顔を覗かせている。そのなかでいちばん高い部分が、天城山だ。

ya_t_tuchiya_0005

角度を変えれば富士山も眺められるはずだが、この日は雲で覆われ、はっきりとあの風流な三角錐を確認することはできなかった。

レンタカーを借りていた僕たちは、島の南側にあるトウシキキャンプ場へ移動した。

高橋庄太郎テント土屋智哉タープ

海に面した高台にあるこのキャンプ場は、なんと無料。炊事場やトイレもきれいで、近くには食材を買いだしに行けるスーパーもあり、お薦めの場所なのだ。

自分たちのテントを設営し終わると、ツッチーが別途持って来た1ポールテントを張り、あとは寛ぐのみ。

高橋庄太郎土屋友哉グルメ

島の名物であるアシタバの葉や魚介類を入れた鍋で、寒い夜も心地よく楽しんだ。

翌日は朝から再び三原山山頂登山口へ。天気予報では快晴だったのに、実際には真っ白なガスのなかだ。大海原にぽっかりと浮かぶ島の山ゆえに、天気が不安定なのは仕方がないともいえる。

ya_t_tuchiya_0066

だが、僕とツッチーは気楽に歩き始めた。僕はすでに5~6回は三原山を歩いているが、ツッチーは初。僕としても新鮮な気持ちで行動したいと思い、外輪山への最短ルートではなく、いままでに通ったことがない表砂漠を通るコースを選択した。

登山口から少し進むと、表砂漠へ向かう道への分岐が現れる。この分岐は少々わかりにくいので、注意が必要だ。

地図ヨミ

すぐに緑に覆われた登山道につながるが、あまりに瑞々しい風景に、ここが火山の内側にあることが信じられなくなる。しかし周囲を見渡せば、足元には溶岩が風化してできた黒々とした石や岩ばかり。どことなく男性的な趣きなのである。

ya_t_tuchiya_0120

表砂漠から再び分岐を曲がり、西から内側の外輪山へ登っていく。

ya_t_tuchiya_0141

ちなみに三原山の外輪山には明確なものだけで2つあり、三原山山頂登山口や駐車場があるのは外側の外輪山。その内側に現在の火口を取り巻くように小さめの外輪山があるという二重構造になっている。

太古から何度も噴火を繰り返してきた三原山は、山自体がご神体ともいえる存在だ。

ya_t_tuchiya_0132

登山道の脇には小さな祠が祀られているが、必ずしも登山道と一致しているわけではない。祠への道筋に気をとられていると、道迷いを起こしかねないので、とくに悪天候のときは注意してほしい。

内側の外輪山の一角には、展望台の建物がある。

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ここは三原山の登山道のなかで唯一のトイレがある場所だ。今回のルートからはわずかに外れていたが、僕たちも休憩を兼ねて立ち寄っておいた。

外輪山を反時計回りに歩いていく。それにしても真っ白だ。

ya_t_tuchiya_0191

海のほうを眺めると、ときおり青い海原が見える瞬間もある。こんなガスがかかっているのは内側の外輪山付近だけで、たぶん海岸沿いは晴れているのだろう。こんな状況こそ海に浮かぶ島の山らしいともいえるが、ツッチーに迫力がある火山口を見せられないのは残念だった。

ところで、三原山には各地にこんな掲示が設けられている。

ya_t_tuchiya_0212

どれもとても勉強になる内容で、これを読んでから周囲の地形に目を向けると、ますます三原山が身近な存在になっていく。伊豆大島はいわゆる「ジオパーク」のひとつであり、火山にまつわる説明に関しては、懇切丁寧なのである。

外輪山についている登山道の起伏は少なく、歩行は快調だ。

ガス

とくに標識のようなものはないが、最高地点は標高764m。この日は数日前に降った雪のために、雪山の様相をなしていた。

山頂と思われる場所から少し外れ、風が当たらない場所で休憩。

食事

それでもけっこう寒いが、常にくだらない雑談ばかりしている僕たちは、かなり楽しくて気にならない。「対談」連載のために少しは有意義な話をしようとも思うが、それがなかなか……。

道しるべ
外輪山の一角から分岐を下り始め、今度は温泉ホテルルートへと入っていく。

すると風は収まり、ガスも一気に薄くなっていった。改めて周囲の風景を眺めると、近くにあるのは溶岩が作り出した巨大で荒々しい岩のかたまり。しかし登山道は明瞭だ。

このあたりを歩くだけでも充分におもしろい。遠くにはうっすらと海も見え、晴れていれば登山道がまっすぐに海へつながっているような感覚を味わえる場所なのである。

ゴール

その後間もなく、僕たちはゴール地点である三原山温泉に到着した。ここで温泉に入って体を休めるのも一興だが、今回は帰りの船の時間のため、港へと直行。港に着くと、やはり想像通り、青空が広がっていたのでした……。

ツッチーに晴れた三原山を見せられなかったのは残念だが、僕たちが住む東京からは遠くない場所。なにしろクルマは品川ナンバーなのだ。タイミングをみて、また行けばいいと思うのであった。

今回の2人の道具ピックアップ

ツッチーのタープは、「Trail Bum CTタープ」の原型になったという自らのハンドメイド。ソロタープとしてはスタンダードなポンチョサイズ(150×240cm)で、風雨の吹き込みに対してはギリギリのサイズ感だが、今回のキャンプ地では十分。僕のテントはヒルバーグの「エナン」。ソロ用で最小重量870g、総重量1.1kgという軽量タイプだ。自立はしないが今回はキャンプ場での使用とあって、ペグはしっかり打てると考えていた。しかし草地の下は硬い溶岩で、思いのほかきれいに設営できなかったりして。

スカルパの2017年新モデル「アトム」をはいていたのは、ツッチー。トレイルランニングに適したモデルだが、ソールにはビブラムメガグリップを使用し、三原山の溶岩の上などでもしっかりとソールがグリップするという。足幅も十分にあり、日本人にとっても馴染みやすい足型だ。それに対し、僕はスポルティバの「トランゴTRK GORE-TEX」。アッパー、ソールともに柔らかな履き心地で、急な斜面を歩く必要がない三原山のような場所にも適している。しかしアッパー上部が少し広がった形状なので石などが内部に入りやすく、今回はピークパフォーマンスのゲイターを併用した。

今回歩いたのは…

■ルート■
「伊豆大島・三原山(三原山山頂口~表砂漠~三原山外輪山~温泉ホテルルート~三原山温泉)」
■アクセス■
伊豆大島までは東京・竹芝桟橋からジェット船で1時間45分。登山口の三原山山頂口、下山口の三原山温泉まではバスが出ている。

■コースタイム■
3~4時間


◎写真;矢島慎一

詳しい対談の内容は、現在発売中の『PEAKS』(2016/12/15発売)にて

高橋庄太郎

山岳/アウトドアライター。高校山岳部で山歩きをはじめテント泊山行をこよなく愛する。著書に『トレッキング実践学』(エイ出版社刊)、『ソロ山行ステップアップ』(地球丸)など

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