2017.1.20

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高橋庄太郎と野川かさねが丹沢・大山へ。~「山を歩く、山で語る」番外編~

◇今回歩いた人◇

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左:野川かさね(写真家)、右:高橋庄太郎(山岳/アウトドアライター)

 

『PEAKS』における対談連載「山を歩く、山で語る」第2回の舞台は、丹沢の大山。神奈川県の霊山だ。ここは今回のゲストである写真家の野川かさねさんが子どものころ、学校行事で登った山であり、自分の意思で山に登りたいと思ったときに初めて向かった山でもある。

そんなわけで、かさねさんのセレクトによって、対談にはこの山が選ばれたが、偶然にも僕もほぼ1年前に歩いたばかりだった。

山麓の駐車場からしばらくはお土産物屋が並ぶ路地を歩いていく。途中には大山の概要を示す看板もあり、山腹にはいくつもの登山道が延びていることがわかる。

_DSC2429

そのなかから、僕たちは阿夫利神社下社から表参道を使って山頂に向かい、雷ノ峰尾根を使って戻るルートを選択した。

まずは大山ケーブルカーの駅へ。歩けば1時間以上もかかる道を、わずか6分程度で登ってしまう。

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それでは歩き甲斐がないと思う人もいるだろうが、ケーブルカーに乗ること自体も楽しいものだ。また、この山は小さい子どもを連れたファミリー登山の人たちも多いが、それもこのケーブルカーで山頂までの時間を短縮できるからだろう。

 

ケーブルカーを下りると、すぐに阿夫利神社下社である。このあたりは登山というよりも観光の場所。お正月にはここから初日の出を眺めようという初詣の人たちでも賑わうらしい。

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だが、そのすぐ脇には頂上に至る登山口がある。そこからが今は登山道としても使われている表参道の始まり。山頂にある阿夫利神社への道が続いている。

 

神社への表参道とあって、この道は古くから多くの人に登られてきた。そのために登山道はよく整備され、迷いやすい場所はない。

_DSC2626

そして周囲には大木が生い茂り、いかにも神域といった雰囲気を漂わせているのである。

 

ルート上の大木の中でも有名なのが、樹齢500~600年という「夫婦杉」だ。

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なるほど、根本はひとつなのに、そこから2本の杉が天を指す姿はいかにも夫婦っぽい。じつにフォトジェニックなルックスだが、あまりに大きすぎて1枚の写真にはとても収められないのである。

 

もうひとつのルート上の見どころが、牡丹岩。

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丸い形に固まった岩で、たしかに牡丹の花に見えなくもない。どうして、こんな岩が生まれたのだろう?

 

途中にはベンチもあり、休憩には好都合だ。

_DSC2829じつは2人ともとくに疲れてはいないが、こういう場所で話をしながら、のんびり歩いていく余裕がいい。とはいえ、この日は天気がイマイチだったりして……。あまり休んでいると寒くなってしまうので、休憩はそこそこに切り上げた。

 

表参道の登山道には、深くえぐり取られたような場所もある。昔から多くの人に使われている道ゆえに歩いた場所の土が少しずつ浸食され、さらにその跡に沿って雨が川のように流れたことにより、これほど深くなってしまったのだ。

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人間の一歩一歩は小さなものだが、長い年月を経れば、これほどの影響が出てくるのである。

山頂に近付くと鳥居が出迎えてくれる。この日、下界はそこそこ晴れ間もあったようだが、この標高になるとガスに覆われてしまい、ますます霊山といった趣が深まっていた。

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好天であれば、山頂標付近からは海が眺められるのだが……。まあ、仕方ない。

 

平日だからか山頂の神社は扉を閉ざしていた。だが、その扉の内側にあるはずの御神体に向かい、かさねさんは手を合わせていた。

_DSC2964

さて、なにを祈っていたのだろう。

 

山頂にはときおり強い風が吹きつけていた。だが、ここまで来たからにはと、温かいコーヒーを作って一休みする。

_DSC3063

僕の手元をかさねさんは撮影。こういうカット、いつか写真展などに使われることがあるのかも? いや、どうかな……。

 

さらに濃厚さを増すガスのなか、下山を開始。

_DSC3184

休憩中に着ていた防寒着そのままの姿で歩いていたが、それでも暑く感じないのは、休憩中に体が冷え、風もいっそう強まったから。標高1215mとさほど高くはない山だが、やはり冬は侮れない。

 

雷ノ峰尾根を下っていくと、遠くに薄ぼんやりと海が見え始める。その手前の谷間には山麓の人家も。僕たちが出発した駐車場や大山ケーブルカーの下の駅があるあたりだ。

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これが好天だったらとも思うが、また来るときに期待しよう。

 

標高が高い場所を覆っていたガスのなかを脱し、さらに樹林帯を歩いていく。夏場ならば鬱蒼と茂った樹木で覆われる場所だが、この時期は木々の葉っぱが落ちているために周囲に広いスペースが生まれ、解放感たっぷりだ。だからこそ、先ほどのように海辺や集落の姿を眺められるわけである。

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その後、分岐から山腹をトラバースする道に入り、阿夫利神社下社へと進んでいく。今回のコースのゴールはもう遠くない。

 

無題この山腹の雰囲気もなかなかのものだ。杉の美林のなかに道が延びていたかと思えば、岩が露出した場所もあったり、巨大な御神木がそびえていたりと、バリエーションに富んでいて見飽きないのである。

 

小さいものながら二重滝という滝もある。

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渇水期である冬は流れ落ちる水は少ないが、雨の後はかなり見ごたえがあるらしい。そんなタイミングを狙って大山に行くのもよさそうだ。

 

とうとうケーブルカーの駅に戻った僕たちは、一気に麓へ。

_DSC3599

路地の商店でそれぞれお土産を購入し、この日の山歩きは終了。寒い冬の1日であったが、ゆったりと行動し、途中でコーヒーなどを作っても3~4時間だ。かさねさんが通っていた小学校のように、学校登山で訪れる山に選ばれるのもよくわかる。自然あり、歴史あり、大山は手頃に楽しめるなかなかの好山なのであった。

今回の2人の道具ピックアップ

かさねさんが着ていた防寒着は、かなり保温力があるというノローナ「リンゲンライトウェイトダウン750ジャケット」。ポケットに収納できるパッカブル仕様で、収納したときに時に縦長になり、ザックへのスタッキングがしやすい。1枚あると安心なので、真夏以外は持ち歩いているとのこと。僕の赤いジャケットは、パタゴニア「ナノ・エア・フーディ」。表面生地だけではなく、中綿自体にも伸縮性があり、着ているのを忘れるほどの軽やかさ。しかも歩いているときに着用していても暑くなりすぎず、休憩中はもちろん暖かい。

かさねさんのバックパックは、ハイパーライトマウンテンギア「ウインドライダー2400」。キューベンとポリエステルのハイブリッド素材で、重量はわずか798g。カメラやフィルムなどを取り出したりすることも多いかさねさんはレインカバーを使うとストレスを感じるが、このモデルならば小雨ならザックカバーなしでも問題なし。フロントポケットや腰のポケットなどに小物が入るのも撮影に向き、気に入っている。一方、僕のバックパックはグラナイトギア「ヴァーゲイト26」。周囲の枝や岩に引っ掛かりにくい非常に細長いシルエットで、雨蓋を配したシンプルな形状。 背面パッドや内部にフォーム材をはなく、そのためにモノの入れ方を考えなければ背中に違和感を覚えるが、その分だけ柔軟に体に沿ってくれる。

今回歩いたのは…

■ルート■ 「丹沢・大山(阿夫利神社~表参道~大山~雷ノ峰尾根~阿夫利神社)」
■アクセス■ 出発地点となる大山ケーブルカーの最寄りのバス停までは、JR伊勢原駅から神奈川中央交通バスで25分ほど。登山口は阿夫利神社の脇にあり、大山ケーブルカーに乗って向かう。
■コースタイム■ 3時間

写真◎宇佐美博之

対談の詳しい内容は、現在発売中の『PEAKS』2月号にて!

高橋庄太郎

山岳/アウトドアライター。高校山岳部で山歩きをはじめテント泊山行をこよなく愛する。著書に『トレッキング実践学』(エイ出版社刊)、『ソロ山行ステップアップ』(地球丸)など

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