初級

2017.10.10

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高橋庄太郎と斎藤徹さんが奥秩父の大菩薩嶺へ。~「山を歩く、山で語る」番外編~

■今回歩いた人■

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左:斎藤徹(「パーゴワークス」代表)、右:高橋庄太郎(山岳/アウトドアライター)

奥秩父の外れにある大菩薩嶺。標高約2057mの日本百名山のひとつだが、現在は1580m地点の上日川峠まで車道が延び、比較的ラクに山頂まで登れる山として人気だ。一方で大菩薩嶺付近は、岩場あり、草原あり、渓流ありのバリエーション豊かな山域としても知られる。

今回、僕とともに大菩薩嶺を歩くのは日本のアウトドアメーカー「パーゴワークス」の代表である斎藤徹さん。斎藤さんにとって、この一帯はパーゴワークスの製品をテストするためにたびたび訪れ、プライベートでも遊びに来るというなじみの場所。僕も何度も歩いているが、四季折々の風景がすばらしく、危険な箇所も少なくて気楽に過ごせるのがいい。

そんなわけで、今回は上日川峠の駐車場から出発。気温は高いが風は強く、暑いのか涼しいのかよくわからないような天候だ。

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だから出発時点では、僕は半袖なのに、斎藤さんは長袖。大菩薩嶺は大人気の山だが、この日は平日とあって静かなものだった。

まずは、平坦な道を進んでいく。急な坂道が始まる前のウォーミングアップといった趣だ。ya_tetu_0011ya_tetu_0027

分岐点まで進むと、福ちゃん荘。ここでは食事ができ、お土産も豊富にそろっている。僕たちは歩き始めたばかりなので素通りしてしまったが、この小屋の方はいつも休んでいくようにと親切に声をかけてくださり、これほどよい印象の小屋も珍しい。

分岐点から唐松尾根に入ると、急登が続く。じつは大菩薩の稜線まで上がるには、分岐点から直接、介山荘へ向かう道を歩いたほうがラクだ。しかし、それでは物足りないと、僕たちは唐松尾根を選んでいた。

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その代わり、唐松尾根からの眺めは格別だ。唐松尾根ルートは稜線まで約1時間。苦しい時間が長く続くわけではない。

森のなかには休憩適地もあり、急登ながらもゆったりと休みながら進んでいくことができる。今回、僕たちが歩こうと思っているコースの目安は、4時間30分程度。休憩をたっぷりととっても、時間は余るほどある。気持ちにも余裕があり、なんとも贅沢な気分だ。

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さらに標高をあげると、山麓の森が見下ろせる。森林限界を越えるわけではないが、ますます見晴らしはよくなっていく。

雷岩まで登りつめると、ここからは稜線。少し離れた場所には大菩薩湖が見える。これは上日川ダムによる人造湖だ。つまり昔はなかったわけであり、僕はこの風景を見るたびに、大菩薩湖がなかったころの時代を想像してしまう。きっと印象は大きく違うはずだ。無題

雲がなければ、大菩薩湖の先には富士山がそびえている。この日は残念ながら見えなかったが、これくらいクリアな景色を眺められたのだから、よしとしよう。

稜線から大菩薩嶺の山頂までは、完全に森のなかだ。あまりおもしろくない気もする区間で、先ほどの雷岩のほうがむしろ景色を楽しめる。だが、ここまで来たからにはと、僕たちは山頂まで進んでいった。

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この付近にはシカが多く、なかには樹皮を完全に食べられてしまった木も珍しくはない。とても痛々しく、木が悲鳴を上げているかのようだ。こういう木を見ると、獣害の問題を考えずにはいられない。

山頂に到着。比較的新しい山頂標があり、この山が日本百名山であると同時に、山梨百名山でもあることが表記されている。

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知ってはいたことだが、頂上からの眺望はまったくなし。だが、山頂まで来るとやはり達成感があっていいものだ。

山頂からは、大菩薩峠を目指して南下していく。途中には雷岩から続く岩場もあり、変化があっておもしろい。岩場を歩く訓練をしたい人にはお勧めしたい区間だ。無題

少しすると大菩薩休憩舎がある賽の河原に出る。現在の大菩薩峠はもっと南にあるが、以前はここを大菩薩峠としていた時期もあったようで、「旧峠」ともいわれている。それにしても、どうして峠の場所は移動したのだろうか?

現在の大菩薩峠に到着し、ここで長い休憩をとる。目の前には介山荘があり、そちらで軽食をとることもできるが、僕たちは斎藤さんが作ってくれたコーヒーを飲み、行動食のパンなどを食べて寛いだ。

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大菩薩嶺は山頂まで歩かず、この峠まで来て終わらせる人も多い。たしかに景色を楽しむためには、わざわざ山頂まで登らなくても、この周囲だけでも十分なのである。初心者の方や子ども連れの人は山頂を無理に目指さず、まずは大菩薩峠まで歩いてみるのもよいのではないか?

その後、僕たちは福ちゃん荘へと下っていく最短ルートではなく、石丸峠経由の道を使って上日川峠へ向かっていった。石丸峠付近からは小金沢山が見え、これがまたよい雰囲気なのである。

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先ほどはかなり遠くに見えた大菩薩湖も大きくなってきた。こういう風景の変化を確認すると、山頂から稜線伝いに自分たちがしっかりと歩いてきたことがわかる。次は大菩薩湖まで歩いてみるのもよさそうだ。

尾根につけられていた道を下っていくと、いつのまにか僕たちは谷の道に入った。沢を渡る場所もあり、自然のバリエーションが豊富な大菩薩嶺山域らしさをますます感じてしまう。

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最後に少しだけ登り返せば、再び上日川峠だ。のんびりとした気分が味わえる、適度な半日コースであった。秋の紅葉シーズンにもお勧めだ。

僕たちは最後に上日川峠のキャンプ場へ。そこでテントを張り、しばし休憩。お茶を飲んで雑談し、よい時間が流れていった……。

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ちなみに、このテントはパーゴワークスが今年から販売し始めたもので、斎藤さんが背負っていた小型パックも次のシーズンから展開しようとしているモデルの試作品。モノ造りをしている人といっしょに歩くと、こういう新作も見せてもらえ、ますます楽しくなってしまうのであった。

今回の2人の道具ピックアップ

斎藤さんのシューズは、アルトラ「ローンピーク3.0ミッド」。ミッドカットだがローカットのように足入れしたときの感じがよいのが、気に入っているポイント。また、シャンクが硬いために歩きやすいという。斎藤さんはこのブランドのシューズが日本で発売されてから、ずっと履き続けている。そして斎藤さんが大菩薩峠でお湯を沸かしてコーヒーを淹れてくれたときに使っていたバーナーは、スノーピーク「ギガストーブ」。名品として知られるモデルで、斎藤さんは20年以上前の発売当初から愛用している。小さく折りたたむことができ、このサイズ感がほどよいとのこと。クッカーも同じくスノーピークのもので、おそらくチタンの400マグ。これもまたサイズ感が絶妙で、これひとつで大概のことは済ませられる。今回はその外側に、別の小型クッカーもスタッキングしている。

僕・高橋がいつも首から下げて使っているタオルは、シートゥサミット「ポケットタオルS」。首から下げたときの長さがちょうどよく、なんといっても乾燥が早いのが最大のメリットだ。色違いでいくつも使っているが、今回は風が強かったので首から下げつつもTシャツの下へ隠し、風で吹き飛ばされないようにした。そのために写真ではあまり見えてはいないのだが……。小型パックは、スクリー「トランスパック」。お恥ずかしながら僕がプロデュースして作ったオリジナルブランドの製品で、今回は斎藤さんのパーゴワークスの製品に対抗し、あえて使ってみた。本来はサブパックとして考案したが、大菩薩嶺のような日帰り登山でもなかなか有用なのである。

■今回のルート■ 「奥秩父・大菩薩嶺(上日川峠~唐松尾根~大菩薩嶺~大菩薩峠~石丸峠~上日川峠)

■アクセス
上日川峠までは、JR甲斐大和駅からバスが運行。ただし、11月下旬まで。クルマの場合は上日川峠の駐車場を利用できるが、週末は非常に混雑し、かなり早朝に到着しないと駐車スペースを確保できない。到着が遅くなりそうなときは、JR塩山駅などからタクシーを使うほうがよいだろう。

■コースタイム
4時間30分

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