ピークス

2018.5.9

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筆とまなざし #089「天命反転地、笠置山に新しいクライミングルートを引く」

GWは仕事の合間を縫って笠置山に行きました。ボルダーをしたり講習会をしたりしながら、新しいルートを2本作りました。

前々から目を付けていた、2段に積み重なった岩。上部が大きくルーフ状に前傾しています。懸垂下降をしてようすを見ることにしました。

上部に顕著なクラックがあるので、とりあえずそこがラインになりそうです。リップの土を落とし、ロープを伝って下りると、強傾斜部分にちょうど良い具合にガバホールドがありました。見た目よりも岩が硬くてしっかりしています。そして、大きく前傾した部分には、ここを登れといわんばかりに、棚状のホールドが右のほうへと繋がっていました。途中で棚は掛かりが甘くなり、その先はよく見えません。さらに下降して、下段の岩のカンテ部分を偵察。ところどころにホールドがあり、こちらも繋がりそうです。

岩の上部に溜まった土や苔を掃除。リップの上にボルトを打ち込み、終了点を設置しました。最後のクラックはカムを使うとして、トップロープで試登してカンテ部分のボルト位置を決めていきますが、この部分が思いのほか難しい。ボルトを設置し、いざリードでトライです。バランシーな緩傾斜の下部とガバでぐいぐい登る強傾斜の上部。変化に富んだルートが完成しました。グレードは5.11−くらい。

数日後、本命である強傾斜部分を岩の右端まで水平トラバースするルートを探ってみることにしました。何度か懸垂を繰り返して掃除をすると、岩の右端までおもしろいようにガバが繋がっていることがわかりました。中間部分でホールドが小さくなり、それが良いアクセントになっています。さっそくボルトを打ちます。が、ルーフ部分の作業は体勢がきつくて腰にくるし、これは登るよりもしんどい。なんとか中間のボルトと終了点を設置するころにはずいぶん疲れていたものの、登ってみることにしました。

出だしは最初に登ったルートと同じ。強傾斜部分でクラックを直上せず、ヒールフックなどを多用しながらそのまま水平の棚を右へトラバース。全身を使いながらガバを繋いでいく爽快なクライミングです。中間部のガバカチからちょっと遠いガバへ。その後も快適なホールドが続き、終了点に到着しました。

ルート名は、荒川修作のアート作品から拝借して「天命反転地(5.12a?)」。それほど難しくはないものの、身体を反転させるムーブが印象的で手軽にルーフクライミングを堪能できるおすすめルートです。

 

【連載一覧はこちら!】

 

成瀬洋平
Yohei Naruse

1982年岐阜県生まれ。山を歩いて見聞きしたことを絵や文章で表現することをライフワークとする。雑誌への執筆のほか、展覧会や水彩画ワークショップも開催。雑木林の中に自力で制作した小屋で制作に取り組みながら、地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画などにも携わる。
ブログ http://d.hatena.ne.jp/naruseyohei
ウェブストア https://naruseyohei.stores.jp

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