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2017.5.1

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高橋庄太郎と鈴木みきが長野県の飯盛山へ。~「山を歩く、山で語る」番外編~

プロフィール

左:高橋庄太郎(山岳/アウトドアライター)、右:鈴木みき(イラストレーター)

 

先月発売の『PEAKS』に掲載された対談連載「山を歩く、山で語る」第4回のゲストは、イラストレーターの鈴木みきさん。このときは、みきさんの現在の居住地に近い長野県の飯盛山へ向かい、登山口から山頂までの雪中ハイクと会話を楽しんだ。

飯盛山は名前の通り、御飯茶碗に白飯を大盛りによそったような形をしており、危険個所もほとんどないために初心者でも気軽に登れる山として知られる。みきさんも時間があるときによく足を延ばしているといい、低山ながらもたしかに魅力的な山なのだ。

 

登山口にあるハイキングマップの看板を見てもわかるように、飯盛山にはいくつかの登山道があり、僕たちが使ったのは平沢峠の登山口。西側から山頂へ向かう最短コースだ。前日に雪が降ったばかりなので、短いコースにして行動には余裕をみておこうという考えである。実際、夏ならば往復2時間程度の道だが、僕たちの行動時間は倍以上。まあ、休憩したり、話していた時間が長かったりしたからでもあるのだが……。

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登山口の前には「野辺山高原平沢峠」という碑が建ち、その先には八ヶ岳がどっしりと横たわっている。この日、八ヶ岳方面には雲がかかっていたが、登山口はすでに一流の展望台なのである。こんな場所から僕たちは出発した。

 

今回は、スノーシューをはくかどうか、はかないのならば持っていくのかいかないのか、そのあたりの判断が難しかった。だが、前日の新雪で覆われているとはいえ、その下の登山道は多くの登山者によって踏みしめられていて、固くなっているようだった。

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そこで、スノーシューを持たず、僕たちはブーツのみで行動することに。結果的にはこれが大正解。雪を踏み抜くこともなく、なにも問題はない。むしろ軽快に歩け、快調なのである。

 

歩き始めからしばらくは樹林帯が続く。だが尾根上の道を歩いていると、少しずつ周囲が開け、展望もよくなってくる。

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はじめに僕たちの前に現れたのは南アルプス。その左側には奥秩父から続く山並みも見えている。八ヶ岳と同様に南アルプスにも雲がかかっているのが残念だが、奥秩父方向の視界は良好そうであった。

 

僕が前にみきさんといっしょに山に入ったのは、冬の北八ヶ岳だ。そのときの天気はイマイチ。夏の北アルプスで僕がみきちゃんを追い抜いたこともあったが、そのときは豪雨。そんなことを思い出し、今日は天気がよくてよかったなどと話しながら、僕たちは歩を進めていく。

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それにしても、みきさんの後ろを歩いていると、彼女のバックパックがえらく傾いているのが気になる。今日は荷物も軽いし、それでもラクに歩いているのだから、まあいいのだだろう。

 

尾根の上を進むと周囲はますます開け、天気もよくなってきた。他の登山者は2~3人ほどで、ほとんど視界には入らない。まるで貸し切りのようである。

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少しすると、きれいな三角形をもつ飯盛山の山頂がはっきりと見えてきた。今、あの上に立ったら、かなり気分はよさそうだ。期待は高まる。

 

そして、ほどなく山頂に到着!

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手軽に登れるのに、満足感は非常に高い。なにしろ、この山頂からは周囲の山々が丸見えなのだ。

 

僕とみきちゃんの好みが一致したのは、下の写真左の奥秩父の風景。飯森山から見ると、奥深くまでうねうねと山々が広がり、なんとも気持ちがよいのである。

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もちろん八ヶ岳の景色も悪くはない。だが、上の写真右のように、この時間でも八ヶ岳の高所は雲の中。今日はその美しさをはっきりとは見せてくれないのだ。

 

山頂での絶景を楽しんだあと、下山を開始する。天気は若干不安定で、急速に雲が広がり始めていたが、登山口までは十分に持つだろう。

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このところ本を描く作業で自宅にこもりきりだったというみきさんには久しぶりの山。それだからか下山するのが惜しそうで、みきさんは何度か振り返って山頂を眺めていた。途中でスリップして転んでしまったのは、ご愛敬といったところ。

 

樹林帯に入る前に、最後の休憩を取る。僕たちは登山前にスーパーに立ち寄り、あれこれ行動食を買い込んでいたのに、あまり食べていなかったのだ。

無題

寒い時期の山中では甘いものがうまい。5個入りの安いどら焼きも、いつも以上においしく感じられるのだ。今回の記事の最後に改めて紹介するが、2人とも持ってきていたのは同じボトル。保温性はないのだが、この2人で山に行くなら、これを使わないでどうする? というものなのである。

 

少しだけ強さを増してきた風を感じながら、再び樹林帯のなかへ。急ぐこともなく、疲れることもなく、終始リラックス。冬はあまり頑張りすぎず、これくらいの日帰り山行も気軽でいいものだ。

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この飯森山、夏になると木々の葉が大いに茂り、雰囲気が一変するだろう。だが、安全な道が続き、山頂からの眺望が格別なのは変わらないはずだ。そんな時期に再訪するのもおもしろそうである。今度はいつ行ってみようかな。

 

 

 

今回の2人の道具ピックアップ

みきさんが持ってきてくれたボトルはクリーンカンティーン。表面にはみきさんが描いた東北の船形山のイラストと僕の「もっと強くなる」という言葉が書かれている。じつはコレ、2011年3月の東日本大震災のときにチャリティー用ボトルを作ろうと思い立った僕が、みきさんにイラストを頼んで制作したもの。ただ、イラストだけだとみきさんひとりで作ったボトルに見えなくもないという指摘があり、汚い字ながら僕の言葉も入っているというわけだ。大半は被災地の山岳部の方々などに配り、一部はチャリティーオークションに出品したが、僕たちも記念にキープしている。また、みきさんが日帰りでも必ず持ち歩くようにしているというマットはサーマレスト「ライトシート」。スケッチを描いたりお茶を飲んだりするときに使っているが、お尻の冷たさがまったく違うとのこと。山中では雪の上はもちろん、岩の上も冷たいので、女性にはとくにおすすめしているらしい。

今回、僕・高橋が使っていたバックパックは、使い始めたばかりのミステリーランチ「スクリー」。中に入れたものを取り出す際はY字型に取り付けられたファスナーで大きく開き、背負い心地も上々だ。容量は38Lあり、夏の日帰りには大きいだろうが、冬場に分厚い防寒着などを入れて使うときには重宝し、山小屋泊にはよいサイズ感である。また、少々ツルっとした表面素材には雪がつきにくいのが好印象。どうでもいいことだが、この「スクリー」という言葉は、僕がこっそり作った自ブランドと偶然同じだったりするが、こちらは単数形。一方、サングラスはESS「クロスボウ」で、数か月前に手に入れ、現在試しているところだ。レンズ部分と肌のあいだの隙間が少ないデザインで、雪の吹込みがないのがポイントのひとつで、想像上に重宝している。ただ、僕の鼻にはギリギリかかる形状でもあり、欧米人の鼻の高さとの違いを痛感させられているのだが……。

今回のルート

■ルート■
「秩父山地・飯盛山(平沢峠~平沢山巻道~飯森山山頂)往復」
■アクセス■
平沢峠の駐車場まではクルマで行くことができ、積雪期も除雪されているが、降雪直後はアプローチ困難なことも。JR野辺山駅から平沢峠までは徒歩1時間の距離にあり、電車の利用もしやすい。またJR清里駅からは平沢牧場経由の登山道で山頂に向かえる。
■コースタイム■
2時間

写真◎加戸昭太郎

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