
せっかく手に入れた靴なのに、実際履くとあちこち痛い……。そんな悩めるあなたに、痛む箇所ごとの対応策をレクチャー。登山のハイシーズンをむかえる前に参考にしてみて!
Q.カカトの靴擦れしてとにかく痛い。なんとかなりませんか?(栃木県・那須なすさん)
A.ロウを塗る、テーピング、厚めのソックスで対応しよう。それでもだめなら…
カカトの形状と靴の形状が合っていないために起こる靴擦れ。対応策のひとつは、摩擦を和らげるために靴のヒールカップの内側にロウをこすり付けること。スキーワックスでも効果はある。もうひとつは、コットンテープをカカトに沿わせて貼ることや、厚めのソックスを履くこと。場合によってはマシンを利用して靴の幅を拡げる手もある。
大阪市天王寺区のヨシミスポーツさんではスキーブーツ修繕のマシンを登山靴の幅広げに活用している。このように専門ショップに相談するのも手だ。
Q.足は合っているけれど、足首が痛い!(東京都・ムーさん)
A.テーピングや幅拡げなどで改善します。が、慣れるのがいちばん!
ハイカットのシューズに履き慣れない人に多い悩み。足首まわりの痛みの場合、非伸縮性のコットンテープを痛い箇所を中心にタテに貼ると和らぐ。とはいえ、痛みに慣れることも一人前の登山者になるために通る道!
Q.下山のとき、指先が痛くなって血マメができてしまいます。(埼玉県・北あるぷすさん)
A.サイズの確認と、靴紐をしっかり締めましょう!
下山時は指先に体重がのしかかるので、指先にスペースがないと、靴とぶつかって指を痛め、それが長く続くと血マメができ、ツメが剥がれてしまうなんて事態にも……。万が一登山中にそうなってしまった場合、インソールを抜けば幾分は解消する。または、靴紐が緩いことで指を痛めることもある。下山前はしっかり締め直そう。
甲と足首部分を緩めに、ノド(甲と足首の中間)をしっかり締めることで、指の付け根への負担を逃せる
Q.足裏の指の付け根が痛いのですが……。(神奈川県・つるぎさん)
A.なるべく厚めでソフトな中敷に交換。とくにシャンクやソールが硬い靴だと、地面からの衝撃を吸収できないことによって、足裏が痛くなりやすい。吉見さんも、よく足裏にウオノメやタコができやすいとか。そこで、おすすめされたのが、クッション性のあるインソール。なるべく厚めのものを選ぶのがポイントだ。
例えばこのようなタイプのインソール。指の付け根とカカトのパットでクッション性が格段に違う。
*更に靴のミスマッチを防ぐ3カ条がこちら!!*
①サイズに惑わされるべからず
ふだん街で履いている靴のサイズで判断するのは危険。靴のメーカーによって、同じサイズ表記なのに、長さがバラバラというということがある。「いつもの靴は26㎝だから」と、そのサイズに捉われずに、あくまでピッタリなサイズを探し出すための目安として使うことに留めよう。指先に1㎝ほどゆとりがあるサイズを選ぶことも重要。
②靴型の違いを知るべし
長さだけでなく、靴の形状もメーカーによってバラバラだ。甲周りがきついもの、カカトにゆとりのあるもの、足首まわりがぶ厚いものなど、靴にも個性がある
お国柄による違いもある。イタリア製(左)はカカトが狭くドイツ製(右)は広い
③足型の違いを知るべし
親指がもっとも長い人、人差し指や中指が長い人、全体的にフラットな人などがいる。さらにカカトの出っ張りの有無など、足の形は人それぞれだ。長さ、幅、高さなどを計測しても、足型の違いでフィットする靴は異なるので、実際に履き比べて判断するしかない。とはいえ、納得の一足を見つければ、山歩きが格段に快適になるはずだ。
文◎編集部
写真◎嶋並ひろみ
出典:『PEAKS』vol.32