初級

2017.3.31

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日本の山にフォーカスした、パタゴニアのレインウエア「クラウド・リッジ」が登場

デザインや色使いはいいけれど、使い勝手やサイズ感がいまいち……。

そう思われることも少なくない、欧米メーカーのレインウエア。

この春、そんな既成概念を覆すパタゴニアのレインウエアが登場します。

パタゴニアならではの上質なものづくりに、日本人ならではの目線が加わった、

今季の自信作の開発秘話を詳しくご紹介!

 

 

※以下、『PEAKS2017年4月号』より記事を一部抜粋、再構成。

 

バックパックや靴など、登山用具には外国メーカーのものも多いが、日本のメーカーが圧倒的に優位を保っているものがある。テントとレインウエアだ。

 

海外メーカーにもテントはあるが、雨が降ったときの快適性はあまり考えられていないものが多い。レインウエアにいたっては、海外のメーカーにはそもそも製品ジャンルがないことすらある。あったとしても、日本の山で使うにはどこかピントがずれているものが多かった。日本とは気候の違う海外で企画開発されたものなのだから、それはしかたのないことだった。

 

しかしこの春、パタゴニアが発売する「クラウド・リッジ・ジャケット&パンツ」は、いままでの製品とはどうも違う。一見、いつものパタゴニアのシェルの顔をしているのだが、手に取ってみれば、なにかが違うことに気づくはずだ。

 

なにがそう感じさせるのかは、ひとことでは表現しにくい。重すぎない重量であったり、生地の薄さややわらかさであったり、裏地の肌ざわりであったり、そうしたなにげない部分の集合が作り出す印象であるのだが、そのすべてが、日本の山で使いやすい方向に向いている。つまりピントがばっちり合っているのだ。

 

できそうでできなかったこうした特性がなぜ実現できたのか。それは企画開発を日本人が主導したからだった。

 

甲斐駒ヶ岳黒戸尾根でテストを重ねたときのようす。開発期間は約3年間。その間、アンバサダーたちは、富士山山頂で、北アルプスや南アルプスなど日本各地の山で、サンプルを使い込んで、要らない機能と必要な機能の絞り込みを行なった。日本人登山者ならわかる、手に取ったときの「これだ!」感は、こうした日本の山でのたび重なるテストとフィードバックによって実現している

 

パタゴニアでは、これまでも日本からのリクエストが製品に取り入れられることは幾度もあったというが、主導はあくまでアメリカ本国。しかし今回のクラウドリッジは、素材の選定から日本側で行ない、日本の要望を全面的に取り入れて作られている。

 

開発にかかわったのは、パタゴニア日本支社のスタッフのほか、アンバサダーの花谷泰広、横山勝丘、加藤直之、谷口けい、今井健司。高温多湿という、欧米にない環境下でも快適に着られ
るウエアを目指して、2014年春に開発がスタートしたという。

 

「僕らアンバサダーが実戦で使う尖ったウエアではなく、僕のガイドのお客さんに着てほしいウエアという目線で作りました」

 

山岳ガイドでもある花谷さんはそう語る。

 

山岳ガイド 花谷泰広さん。八ヶ岳の麓をベースに国内各地でガイドを行なっている。パタゴニアのアンバサダーを務め、クラウドリッジの開発でも主導的に活躍。ピオレドール受賞経験のあるトップクライマーでもある

山岳ガイド 花谷泰広さん。八ヶ岳の麓をベースに国内各地でガイドを行なっている。パタゴニアのアンバサダーを務め、クラウドリッジの開発でも主導的に活躍。ピオレドール受賞経験のあるトップクライマーでもある

 

「機能を絞り込んで、できるだけシンプルにしたことがポイントのひとつです」
ピットジップを省略したのもそのひとつ。海外メーカーの製品には設けられていることが多いが、日本の夏山では活用されることが少ない。それはなくてもいいので、そのぶん軽くてコンパクトなものを望むのが日本の登山者だ。日本人アンバサダーなら、欧米人には気づきにくいそういう部分にもすぐに気づく。

 

左上)フードはヘルメット対応で大きく作られているが、ドローコードのフックで写真のようにまとめることも可能。右上)ポケットは、バックパックのウエストベルトにもチェストベルトにも干渉しない絶妙の位置に設けられている。左下)靴を履いたままパンツを脱ぎ履きするのが非常にやりやすい。上からも開くため、ベンチ レーションにもなる。右下)着たときになんともしっくりくる感じはこれもひとつの理由。ヒジと膝には複雑なカッティングがなされている

 

袖口の大げさなプルタブや、複雑なフードの調整機構もなし。一方で、半袖で着たとしても不快感を覚えないサラリとした裏地を採用するなど、実用上優先度の高い部分にはとことんこだわっている。

 

それら日本特有の要望を、本国のデザイナーがまとめあげた。着たときになんともしっくりくる絶妙なフィット感は、パタゴニアのウエア全般の大きな特徴だが、それはこのクラウドリッジでも変わらず。

 

「じつはいちばん力を入れたのはパンツなんです。微妙に絞った足元のカッティングや膝の立体裁断などで、脚さばきがすごくよくなっています。従来のレインパンツとは一線を画す出来になったんじゃないかな」

 

まさに日米のいいとこ取り。クラウドリッジは、そんなレインウエアに仕上がっている。

 

メンズ・クラウド・リッジ・ジャケット(¥30,000+税)。同社独自の防水透湿素材H2Noを採用した3レイヤージャケット。メンズモデルで391gと軽量ながら、豪雨下での行動も可能とする防水性と防風性を備える。 サイズ:XS〜XXL /カラー:ファイア、ブラック、 ネイビーブルー、トゥルーティール

メンズ・クラウド・リッジ・パンツ(¥19,000)。ジャケットと同素材のパンツ。レインパンツとしては比較的細身ながら、膝が立体裁断で素材がストレッチするため、歩行時のストレスが非常に少ないパンツ。サイズ:XS〜XXL/カラー:ネイビーブルー、ブラック

 

 

商品について、詳しくはパタゴニアのウェブサイトをご覧ください。

 

文◎森山憲一

写真◎熊原美惠

写真提供◎パタゴニア日本支社

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