ピークス

2018.2.14

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筆とまなざし #079「北米大陸最高峰デナリ、そのクラシックルートの刻印」

山の先輩へのプレゼントにと、金工作家さんにカムローブを模したキーホルダーを作ってもらいました。カムローブとはクラックにセットして使うプロテクション、カミングディバイスの一部のことで、クライマーにはお馴染みのモチーフです。

ぼくが所属する山岳会の代表で、初めてアイスクライミングに連れていってくれたのもその先輩でした。某アウトドアメーカーに勤務していて、先日上京したときにひさしぶりに会って話をしました。山のこと、クライミングのこと、仕事のこと、生活のこと。そんな話をするなかで、車のキーに付けているカムローブのキーホルダーを見せると気に入ってくれたのを思い出し、制作を依頼したというわけです。

素材は錫。バーナーで溶かした錫を銅板で作った型に流し込んで固め、ヤスリで削ったり金槌で叩いて槌目を付けたり。無機質な金属だけれど表情があるのが魅力的です。刻印ができるということなので、なにか良い言葉はないかと考えて思いついたのが「CASSIN RIDGE」でした。北米大陸の最高峰、デナリ。カシン・リッジはその頂上へと続く長大な尾根で、デナリのクラシックルートとしても知られています。

以前、その先輩からカシン・リッジを登ったときの話を聞いたことがあったのです。ネットで検索すると、外国人夫婦が3年がかりで登ったときの様子がまとめられた動画が出てきました。セスナでカヒルトナ氷河に降り立ち、スキーで基部へとアプローチ。アイスクライミングやミックスクライミングを交えながら延々と続く雪稜を登って山頂に至る……。美しい風景とともに、そこに映し出された冒険的な登山は憧れを掻き立てるものでした。すっかり岩登りばかりになってしまっているけれど、やっぱり山って良いな。そう思わずにはいられません。

キーホルダーの裏には名前を刻印してもらいました。世界にたったひとつだけのキーホルダー。きっと気に入ってくれるに違いありません。さっそく明日にでも送ろうと思います。

 

【連載一覧はこちら!】

 

 

 

成瀬洋平
Yohei Naruse

1982年岐阜県生まれ。山を歩いて見聞きしたことを絵や文章で表現することをライフワークとする。雑誌への執筆のほか、展覧会や水彩画ワークショップも開催。雑木林の中に自力で制作した小屋で制作に取り組みながら、地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画などにも携わる。
ブログ http://d.hatena.ne.jp/naruseyohei
ウェブストア https://naruseyohei.stores.jp

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